センター試験<化学>

2016年1月の記事一覧

2016センター化学 第1問-問1



[1] ④
  19Kの電子配置は 2-8-8-1 ですから、Kの電子配置は 2-8-8 のAr型です。
  ①、③、⑤、⑥、⑦はNe型です。
 
  ②、⑧は見慣れなくて難しく感じるかもしれませんが、
   この2つは知らなくても問題が解けるように出来ています。
  ②は、第4周期陰性元素なので、第4周期の18族Kr型になります。
  ⑧は、[Ar]3d10という特殊な型になります。
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2016センター化学 第1問-問2



[2] ③
  「面心」立方格子ですから、格子各面の中心に、球の中心があります。
  さらに格子の角に球の中心があります。
  上の格子の図に球を書き加えてみれば、分かりますね。
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2016センター化学 第1問-問3



[3] ②
  メスシリンダー内の酸素の分圧は、1.013 × 105 - 3.6 × 103 = 9.77 × 104 Pa
  PV = nRTより
  n = PV/RT
    = 9.77 × 104 × 0.15/(8.3 × 103 × 300)
    ≒ 5.9 × 103 mol

  このような場合は、メスシリンダー内外の水面を一致させます。
  すると、メスシリンダー内外の圧力は同じになります。
  メスシリンダー外の圧力 = 大気圧
  また、メスシリンダー内には、水蒸気も存在しますから、
  メスシリンダー内の圧力 = 酸素の分圧 + 水蒸気圧 ですね。
  よって、大気圧 = 酸素の分圧 + 水蒸気圧 となり、
  酸素の分圧 = 大気圧 - 水蒸気圧
  の計算で、
酸素の分圧」だけが求まる訳です。
  水上置換では、メスシリンダー内は水蒸気で飽和されていると考えます。
  よって、この時の水蒸気圧は、その温度での飽和水蒸気圧を用いて良いのです。
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2016センター化学 第1問-問4



[4] ③
  この冷却曲線の、点Aと点Bの間の極小点から凝固が始まります。
  凝固点より低いこの極小点まで温度が下がってしまうことを過冷却といいます。
  冷えすぎてしまう訳ですね。
  次に、凝固が始まると、凝固熱を放出するため、凝固点まで温度が上昇しますが、
  その後、温度はしばらく一定の値(凝固点)になります。
  (冷却による熱の吸収分と、凝固熱の放出分がつりあうため)
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2016センター化学 第1問-問5



[5] ⑤
  アボガドロ数個の原子の質量の値が原子量になります。
  この場合、アボガドロ数個の原子の体積を求め、その値に密度をかけると、
  1mol の質量が求まります。
  この質量の値が、原子量になりますね。
  ∴ (6.0 × 1023/8.3 × 1022) × 7.2 ≒ 52 
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2016センター化学 第1問-問6



[6] ①
  浸透は、結果として、溶媒粒子が濃度の高い溶液側に移動する、と考えるので、
  この場合、スクロース溶液の体積が増加し、純水の体積が減少します。
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2016センター化学 第2問-問1



[1] ④
  C2H2 + 5/2 O2 → 2CO2 + H2O(液) + 1300kJ ・・・ (1)
  C6H6 + 15/2 O2 → 6CO2 + 3H2O(液) + 3268kJ ・・・ (2)
  (1)式、(2)式を使って、問われている式を導きましょう。
  (1)式、(2)式中の、O2 、2CO2、H2O(液)が消えればいいですね。
  (1)式×3-(2)式より
  3C2H2 = C6H6 + 632kJ

  ちょっと補足をしておきます。
  もし、C2H2 の生成熱、C6H6 の生成熱が与えられていれば、
  反応熱 = 生成物の生成熱の総和 - 反応物の生成熱の総和
  の関係を使って、あっという間に答が出せます。
  教科書に載っていますので、ぜひ覚えておきましょう。
  しかし、この問題では、生成熱でなく、燃焼熱なので、この手が使えません。
 
  この場合、予備校では、
  反応熱 = 反応物の燃焼熱の総和 - 生成物の燃焼熱の総和
  の関係を教えているようです。(教科書には載っていないはずです)
  この問題では、この関係を使うと、あっという間にできてしまいます!

  反応熱 = 3 × 1300 - 3268
       = 632kJ
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2016センター化学 第2問-問2



[2] ③
  発熱反応では、正反応の活性化エネルギーより、逆反応の活性化エネルギーの方が大きい。
  発熱反応のエネルギー図を描いてみて下さい。すぐ分かります。
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2016センター化学 第2問-問3



[3] ⑥
  ア. メタンCH4 → CO2 → 890kJ
  イ. エタンC2H6 → 2CO2 → 1560kJ
  ウ. エチレンC2H4 → 2CO2 → 1410kJ
  エ. プロパンC3H8 → 3CO2 → 2220kJ
   となるので、どれも同じ物質量のCO2で比較すると、
  ア. 2CO2 → 1780kJ
  イ. 2CO2 → 1560kJ
  ウ. 2CO2 → 1410kJ
  エ. 2CO2 → 1480kJ
   よって、上記で発生した熱量が少ないものほど、
   同一発熱量で比較した時、CO2の発生が多いと考えられます。
   ∴ ウ>エ>イ>ア

  4物質の発熱量をすべて同一にして比較すると、計算がかなり大変になります。
  確か、これに似た過去問があったと思います。
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2016センター化学 第2問-問4



[4] ②
  CH3COOH → CH3COO + H
  Ka = [CH3COO]・[H]/[CH3COOH]
  ∴ [CH3COO]= [CH3COOH]・Ka/[H
  ここで、CH3COOHは弱酸で、ほとんど電離していないので、
  [CH3COOH]= 0.008mol/L (混合後体積が2倍になり濃度が半分になっている)
  また、塩酸は1価の強酸で、
  [H] = 0.01mol/L (混合後体積が2倍になり濃度が半分になっている)
  と考えられるので、
   [CH3COO]= [CH3COOH]・Ka/[H
           = 0.008 × 2.5 × 10-5/0.01
           = 2.0 × 10-5 mol/L
  化学平衡の計算問題は、数をこなして慣れることです。
  電離度が小さい物質の場合は、この問題のように近似もありますが、
  パターンは限られています。
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2016センター化学 第2問-問5



[5] ④
  まず、温度が高い時の方が、平衡時の生成物が多くなっているので、
  この反応は、吸熱反応つまりQは負の値になります。
  また、Xの減少量は、YまたはZの増加量の2倍となっているので、
  a : b = 2 : 1
  2X = Y + Z - Q(kJ) という形ですね。
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2016センター化学 第2問-問6



[6] ②
  どちらの酸化剤も等しい物質量の電子e を物質Aから受け取ったと考えると
  (0.02x/1000) × 5 = (0.01y/1000) × 6 が成り立ちますね。
  ∴ 5x = 3y
  ∴ x/y = 3/5 = 0.6
  このやり方だと、すっきりして分かりやすくなりますね。
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2016センター化学 第3問-問1



[1] ⑤
  酸化亜鉛に塩酸を加えても、水素は発生しません。
   ZnO + 2HCl → ZnCl2 + H2O
  亜鉛に塩酸を加えれば、水素が発生します。
   Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2
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2016センター化学 第3問-問3



a
[3] ②
  NaCl からNaを得るには、融解塩電解しかありません。

[4] ③
  NaClからNaHCO3にいたるこの過程はソルベー法ですね。
  生じた
NaHCO3を加熱すると、Na2CO3が得られます。
   2NaHCO3 → Na2CO3 + H2O

b
[5] ②
  2NaHCO3 → Na2CO3
   2 × 84g    106g
    10kg      xkg

  ∴ 2 × 84g : 106g = 10kg : xkg
  ∴ x ≒ 6.3kg
  完全な反応式ではなく、必要な部分の量関係だけ書けばOKです。
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2016センター化学 第3問-問6



[8] ⑤
  FeK(SO4)2・12H2O → 2BaSO4
  また、生じたBaSO4は、4.66/233 = 0.02モルです。
  これと反応したFeK(SO4)2・12H2Oは、0.01モルで5.03g
  よって、FeK(SO4)2・12H2Oの純度は、5.03×100/5.4 ≒ 93.2%
  となります。
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2016センター化学 第4問-問2



[2] ②
  フェノールに濃硝酸と濃硫酸の混合物を作用させると、ニトロ化が起こり、
  ベンゼン環のCにニトロ基 -NO2が結合するので、C-N結合が出来ます。
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2016センター化学 第4問-問3



[3] ④
  付加した水素は、6.72/22.4 = 0.3モル (標準状態の計算で良い)
  Rは、5.00 × 10-2 × 3 = 0.15モルあります。
  よって、R 1個中に二重結合は2個あることになります。
  ということで、R- の一般式は、CnH2n-3- と決定できます。
  この一般式に適合するのは、C17H31- しかありません。
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2016センター化学 第4問-問4



[4] ④
  中央の二重結合だけ見ると、ここで2種の幾何異性体が考えられます。
  左側の二重結合の左側のCについた置換基は同じですから、
  左側の二重結合の部分では、幾何異性体を考えなくて良いですね。
  さらに、右側の二重結合だけ見ると、ここでも2種の幾何異性体が考えられます。
  よって全部で、
  「2 × 2 = 4種類」 の幾何異性体が存在することになります。
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2016センター化学 第4問-問5



[5] ①
  CaC2 + 2H2O → Ca(OH)2 + C2H2
  反応する水は過剰(0.02モル以上存在)なので、CaC2はすべて反応します。
  よって、C2H2は0.01モル生成。
  このC2H2にBr2が付加しますね。
  Br2は、0.01×0.01=0.0001モルあります。
   C2H2 + 2Br2 → C2H2Br4
  この反応では、Br2に対してC2H2が過剰(0.00005モル以上存在)ですから、
  Br2はすべて消費され、臭素水の色は消える、と考えていい訳です。
  また、C2H2はすべて反応しませんから、未反応のC2H2が試験管Bに溜まりますね。

  一部、CHBr=CHBrの生成も考えられますが、
  この物質は分子量が大きく(Brの分が大きい)気体ではない、と考えていいです。
  また、このCHBr=CHBrには色がない、と考えていいでしょう。
  (臭素が付加した炭化水素、臭素で置換した炭化水素は無色、を思い出して下さい)
  ですから、試験管Aは色のついた状態にはならない、と考えていいでしょう。
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2016センター化学 第5問-問1



[1]③
  生ゴムに硫黄数%を加えて加熱すると、弾性が大きくなります。(加硫)
  この処理で、長い鎖のポリイソプレン分子に、一部、硫黄による橋かけ構造が作られます。
  これでゴムの弾性が増します。
  また、硫黄を多量に(30~40%)加えて加熱すると、
  硫黄による橋かけ構造が多数出来て、硬い固体になります。
  (この生成物をエボナイトといいます)
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2016センター化学 第5問-問2



[2] ①
  単糖2分子が縮合する際、1分子の水が取れるので、
  生じる2糖は、C12H22O11となります。
  ②スクロースを加水分解すると、グルコース、フルクトースが得られ、
   どちらも還元性を示します。
  ③1つのCに付くHとOHの位置が異なる立体異性体です。
  ④原子の結合する順番など、構造が異なります。
  ⑤環状分子では、不斉炭素は5個ですが、
   鎖状分子では、Cの1つがCHOとなり、
   CHO中のCは不斉炭素原子ではありません。(C=Oが含まれるため)
   よって、鎖状分子中の不斉炭素は4個となります。
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2016センター化学 第6問-問1



[1] ⑦
  xモルのC3H3Nと、yモルのC4H6 が共重合する、と考えます。
  重合した分子中の、Cは(3x+4y)モル、Nはxモル、となりますね。
  ∴ C : N = 3x+4y : x
          = 19 : 1
  ∴ y = 4x
  ∴ x : y = 1 : 4
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2016センター化学 第6問-問2



[2] ④
  メタクリル酸とアクリル酸を間違えないように。
  ③はメタクリル酸、⑤はアクリル酸メチル、⑥は酢酸ビニルです。

[3] ②
  ①と②で迷わないように。
  炭素数6の単量体(ε-カプロラクタム)を選びましょう。
  ①はCが5つしかありません。
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2016センター化学 第7問-問1



[1] ⑤
  グリシン3分子間から水2分子が脱水されて縮合します。
  その中にNが3原子あることになります。
  ∴ (14 × 3/(75 × 3-18 × 2)) × 100 ≒ 22.2%
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2016センター化学 第7問-問2



[2] ③
  上図1の上から、左右、次のような水素結合が出来る、と考えられます。

  C=O ・・H-N
  N-H ・・N
  N-H ・・O=C
  ( ・・ は、DNA間の水素結合)
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