「反応熱は右-左」の考察
2013年1月27日 18時04分熱化学の勉強で
反応熱 = 生成物の生成熱の総和 - 反応物の生成熱の総和
が教科書に載っています。
これについての解説は教科書には載っていないのですが、
受験勉強には欠かせない特効薬の一つです。
略して「右-左の式」として教えています。
今年のセンターにもこれで即答できる問題が1問ありました。
さて、何故この式だと言えるのでしょうか?
また、東進予備校の解説にあった
反応熱 = 反応物の燃焼熱の総和 - 生成物の燃焼熱の総和
の式も、なぜ言えるのでしょうか?
今回のセンター試験の問題を題材にして考えてみましょう。
エチレンC2H4とエタノールC2H5OHに関する熱化学方程式
C2H4 + H2O = C2H5OH + QkJ ・・・(ア)
について、下の図を見て下さい。
前回、「C2H4 + H2O」 と「C2H5OH」のの化学エネルギーの順位はわからないと書きました。
そこで資料で調べたのですが、C2H4の燃焼熱の方がC2H5OHの燃焼熱より大きい事がわかりましたので、上の図のような関係になります。
このエネルギー図を見れば、上式(ア)の反応熱Qは、
①-② つまり 「生成物の生成熱の総和 - 反応物の生成熱の総和」 が明らかです。
また、④-③ つまり 「反応物の燃焼熱の総和 - 生成物の燃焼熱の総和」 になることも明らかです。
考えてみると、生成熱は単体からの反応熱ですから、エネルギー図では単体は化合物の上になります。(例外はありますが)
一方、燃焼は例外なく発熱なので、エネルギー図では燃焼生成物は化合物の下になります。
あとは、上のようなエネルギー図を描いてみれば明らかですね。
さて、ここで提案です。
「生成熱なら右-左(単体以外)」!
「燃焼熱なら左-右(燃焼物以外)」!
と覚えたらどうでしょう?