気体

連結容器の水蒸気圧がからむ問題


問1
a
  コックはまだ開けられていません。容器Aの中だけで考えます。状態方程式を使います。
   P=nRT/V
    =(0.01×8.3×10×400/1.0)
    ≒3.3×10(Pa)
答[1]③

b
  水滴が生じた状態なので、容器内は水蒸気で飽和している状態です。
  ですから、この水蒸気の分圧は、飽和蒸気圧の3.6×10Paです。
  一方、酸素の分圧は、
   P=nRT/V
   =(0.01×8.3×10×300/4.0)
   ≒6.2×10(Pa)
  ∴容器内全圧は、
   3.6×10+ 6.2×10(Pa)=9.8×10(Pa)
答[2]⑤

  さて、この問題では、水蒸気の分圧をどう考えるかがポイントです。
  水滴が生じていれば、容器内は水蒸気が飽和している状態ですから、
  この時の水蒸気圧は、その温度での飽和水蒸気圧(温度に応じた決まった値)になります。
  蒸発できる量には限度があり、それ以上は蒸発できない訳です。
  その時の水蒸気の圧力が飽和蒸気圧ということですね。

  仮に水滴が生じていなければ、水蒸気が飽和していない状況ですから、
  この時の水蒸気の分圧Pは、ボイルシャルルの法則で求めればいいのです。
 
 
  計算してみましょうか?
   2.0×10×3.0/400 = P×4.0/300 ですね。
   P≒5.6×10Paとなりました。
  この値は、飽和蒸気圧3.6×10Paを超えていますね。
  飽和蒸気圧分を超えて蒸気にはなれないのですから
  この時の水蒸気の圧力は3.6×10Paということになります。