センター試験<化学>

センター化学本試験 解説

2017センター化学 第4問-問1



[1]正解①
  エチレンに水が付加するとエタノールができますが、アセチレンに水が付加するとアセトアルデヒドができます。

  ②エチレンが付加重合するとポリエチレンができ、アセチレンが付加重合するとポリアセチレンができます。どちらも高分子化合物です。
  ③水素を付加すると、エチレンCH→エタンC2H、アセチレンCH→エチレンCH→エタンC2H、と変化します。
  ④エチレン中の原子は同一平面上、アセチレン中の原子は同一直線状に配置されますので、この文書は正しいです。(同一直線状配置なら、同一平面上配置と言って良い)
  ⑤エチレン、アセチレン、どちらも水に溶けにくい気体なので、水上置換で捕集します。
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2017センター化学 第4問-問3



[3]正解③
  ベンゼン CHを濃硫酸でスルホン化すると、ベンゼンスルホン酸 CHSOH ができます。

[4]正解①
  ベンゼンスルホン酸 C6HSOH を NaOH でアルカリ融解すると、ナトリウムフェノキシド C6HSONa ができます。

[5]正解⑦
  ベンゼン C6H6 を混酸(濃硝酸と濃硫酸の混液)でニトロ化すると、ニトロベンゼン C6HNOができます。

[6]正解⑧
  アニリンを NaNO2 と HCl でジアゾ化すると、塩化ベンゼンジアゾニウム C6H5NΞN・Cl ができます。
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2017センター化学 第4問-問4



[7]正解③
  ブタンCH10中のHのいくつかがClで置換され、CH10-XClX が生じます。
  生じたCO、HO中の、C、H の質量は、
  C 352(mg) × C/CO = 52 × 12/44 =96(mg)
  H 126(mg) × 2H/HO = 126 × 2/18 = 14(mg)
  このC、Hの物質量の比 C:H は、
  C:H = 96/12 : 14/1 = 4 : 7 で、化合物A中のC、Hの物質量の比も同じですね。
  よって、化合物Aは、 CHCl  となります。
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2017センター化学 第5問-問1



[1]正解①
  ナイロン6は、カプロラクタムが開環し、さらに重合してできたものです。

  ②③④は、脱水縮合によって得られる代表的な重合体と単量体の組み合わせです。
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2017センター化学 第4問-問5



[8]正解⑥
  実験Ⅰでは、セッケンが合成され、コロイド状態として存在しています。これに濃い食塩水を混ぜると、セッケンのコロイドが塩析します。

[9]正解⑤
  実験Ⅱでは、セッケンはCa2+、Mg2+などのイオンと水に不溶な塩(固体)を作るので白濁します。
  一方、硫酸ドデシルナトリウム(合成洗剤の一種)は、Ca2+、Mg2+などのイオンと塩を作らず、他の反応も起こさないので、変化は見られません。
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2017センター化学 第5問-問2



[2]正解②
  合成高分子の分子量は、重合度が異なる構成分子の分子量の平均値で表されます。

  ①2種類以上の単量体が重合することを共重合といい、共重合体が生成します。
  ③デンプンは高分子なので、この分子1個で1個のコロイド粒子となります。
  ④DNAとRNAに共通する塩基は、アデニン、グアニン、シトシン、の3種類です。DNAにはさらにチミン、RNAにはさらにウラシルが存在します。
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2017センター化学 第6問-問1



[1]正解③
  ポリイソプレン(天然ゴムの成分)の、元の単量体イソプレンの構造式が違っています。この形では、重合して長い鎖になれません。
  正しくは、CH=C(CH)-CH=CHです。

  ①フロンが重合して、テフロンになる。
  ②プロペン(プロピレン)が重合して、ポリプロピレンになる。
  ④スチレンとジビニルベンゼンが共重合して、スチレンジビニルベンゼン共重合体ができる。(これがイオン交換樹脂の原料となる)
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2017センター化学 第6問-問2



[2]正解③
  ポリ乳酸(組成式CHO、式量72)中のCがすべてCOになると考えられるので
  ポリ乳酸が分解する時の量関係は、 CHO2 → 3CO2  と考えられます。
  ポリ乳酸6(g)中に、ポリ乳酸の繰り返し単位は、6/72 (mol)存在し、
  これから、COが、6/72 (mol) × 3 = 1/4 (mol)発生します。
  よって体積は、22.4(L) × 1/4 = 5.6(L)
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2017センター化学 第7問-問1




[1]正解①
  ジペプチドAは、(NH2基1個)-(NH21個+COOH基1個)
  ジペプチドBは、(NH21個+COOH基1個)-(NH21個+COOH基1個)
  ジペプチドCは、(NH21個+COOH基1個)-(COOH基1個)
  上記の()内は構成アミノ酸を表しています。
  ジペプチドAでは、酸性溶液中で左側の(NH2基)が(NH)となるので、陰極へ移動します。
  ジペプチドBでは、左右の(NH21個+COOH基1個)が共に双性イオンとなっているため、酸性溶液中でも電荷を持ちません。陽極陰極どちらにも移動しません。
  ジペプチドCでは、弱酸性溶液中で右側の(COOH基)が(COOH)となっているので陽陰極へ移動します。
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2017センター化学 第7問-問2



[2]正解③
  C12H22O11 → 2CH12O → 2CuO
  という量関係になります。
  Cu2O = 144(g/mol)より、生じたCu2Oは、14.4/144 = 0.1(mol)です。
  よって、存在していたマルトースC12H22O11は、
  0.1 × 1/2 =0.05(mol)、つまり342(g/mol) × 0.05(mol) = 17.1(g)です。 
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2016センター化学 第1問-問1



[1] ④
  19Kの電子配置は 2-8-8-1 ですから、Kの電子配置は 2-8-8 のAr型です。
  ①、③、⑤、⑥、⑦はNe型です。
 
  ②、⑧は見慣れなくて難しく感じるかもしれませんが、
   この2つは知らなくても問題が解けるように出来ています。
  ②は、第4周期陰性元素なので、第4周期の18族Kr型になります。
  ⑧は、[Ar]3d10という特殊な型になります。
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2016センター化学 第1問-問2



[2] ③
  「面心」立方格子ですから、格子各面の中心に、球の中心があります。
  さらに格子の角に球の中心があります。
  上の格子の図に球を書き加えてみれば、分かりますね。
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2016センター化学 第1問-問3



[3] ②
  メスシリンダー内の酸素の分圧は、1.013 × 105 - 3.6 × 103 = 9.77 × 104 Pa
  PV = nRTより
  n = PV/RT
    = 9.77 × 104 × 0.15/(8.3 × 103 × 300)
    ≒ 5.9 × 103 mol

  このような場合は、メスシリンダー内外の水面を一致させます。
  すると、メスシリンダー内外の圧力は同じになります。
  メスシリンダー外の圧力 = 大気圧
  また、メスシリンダー内には、水蒸気も存在しますから、
  メスシリンダー内の圧力 = 酸素の分圧 + 水蒸気圧 ですね。
  よって、大気圧 = 酸素の分圧 + 水蒸気圧 となり、
  酸素の分圧 = 大気圧 - 水蒸気圧
  の計算で、
酸素の分圧」だけが求まる訳です。
  水上置換では、メスシリンダー内は水蒸気で飽和されていると考えます。
  よって、この時の水蒸気圧は、その温度での飽和水蒸気圧を用いて良いのです。
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2016センター化学 第1問-問4



[4] ③
  この冷却曲線の、点Aと点Bの間の極小点から凝固が始まります。
  凝固点より低いこの極小点まで温度が下がってしまうことを過冷却といいます。
  冷えすぎてしまう訳ですね。
  次に、凝固が始まると、凝固熱を放出するため、凝固点まで温度が上昇しますが、
  その後、温度はしばらく一定の値(凝固点)になります。
  (冷却による熱の吸収分と、凝固熱の放出分がつりあうため)
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2016センター化学 第1問-問5



[5] ⑤
  アボガドロ数個の原子の質量の値が原子量になります。
  この場合、アボガドロ数個の原子の体積を求め、その値に密度をかけると、
  1mol の質量が求まります。
  この質量の値が、原子量になりますね。
  ∴ (6.0 × 1023/8.3 × 1022) × 7.2 ≒ 52 
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2016センター化学 第1問-問6



[6] ①
  浸透は、結果として、溶媒粒子が濃度の高い溶液側に移動する、と考えるので、
  この場合、スクロース溶液の体積が増加し、純水の体積が減少します。
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2016センター化学 第2問-問1



[1] ④
  C2H2 + 5/2 O2 → 2CO2 + H2O(液) + 1300kJ ・・・ (1)
  C6H6 + 15/2 O2 → 6CO2 + 3H2O(液) + 3268kJ ・・・ (2)
  (1)式、(2)式を使って、問われている式を導きましょう。
  (1)式、(2)式中の、O2 、2CO2、H2O(液)が消えればいいですね。
  (1)式×3-(2)式より
  3C2H2 = C6H6 + 632kJ

  ちょっと補足をしておきます。
  もし、C2H2 の生成熱、C6H6 の生成熱が与えられていれば、
  反応熱 = 生成物の生成熱の総和 - 反応物の生成熱の総和
  の関係を使って、あっという間に答が出せます。
  教科書に載っていますので、ぜひ覚えておきましょう。
  しかし、この問題では、生成熱でなく、燃焼熱なので、この手が使えません。
 
  この場合、予備校では、
  反応熱 = 反応物の燃焼熱の総和 - 生成物の燃焼熱の総和
  の関係を教えているようです。(教科書には載っていないはずです)
  この問題では、この関係を使うと、あっという間にできてしまいます!

  反応熱 = 3 × 1300 - 3268
       = 632kJ
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2016センター化学 第2問-問2



[2] ③
  発熱反応では、正反応の活性化エネルギーより、逆反応の活性化エネルギーの方が大きい。
  発熱反応のエネルギー図を描いてみて下さい。すぐ分かります。
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2016センター化学 第2問-問3



[3] ⑥
  ア. メタンCH4 → CO2 → 890kJ
  イ. エタンC2H6 → 2CO2 → 1560kJ
  ウ. エチレンC2H4 → 2CO2 → 1410kJ
  エ. プロパンC3H8 → 3CO2 → 2220kJ
   となるので、どれも同じ物質量のCO2で比較すると、
  ア. 2CO2 → 1780kJ
  イ. 2CO2 → 1560kJ
  ウ. 2CO2 → 1410kJ
  エ. 2CO2 → 1480kJ
   よって、上記で発生した熱量が少ないものほど、
   同一発熱量で比較した時、CO2の発生が多いと考えられます。
   ∴ ウ>エ>イ>ア

  4物質の発熱量をすべて同一にして比較すると、計算がかなり大変になります。
  確か、これに似た過去問があったと思います。
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2016センター化学 第2問-問4



[4] ②
  CH3COOH → CH3COO + H
  Ka = [CH3COO]・[H]/[CH3COOH]
  ∴ [CH3COO]= [CH3COOH]・Ka/[H
  ここで、CH3COOHは弱酸で、ほとんど電離していないので、
  [CH3COOH]= 0.008mol/L (混合後体積が2倍になり濃度が半分になっている)
  また、塩酸は1価の強酸で、
  [H] = 0.01mol/L (混合後体積が2倍になり濃度が半分になっている)
  と考えられるので、
   [CH3COO]= [CH3COOH]・Ka/[H
           = 0.008 × 2.5 × 10-5/0.01
           = 2.0 × 10-5 mol/L
  化学平衡の計算問題は、数をこなして慣れることです。
  電離度が小さい物質の場合は、この問題のように近似もありますが、
  パターンは限られています。
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