センター試験<化学>

センター化学本試験 解説

2017センター化学 第2問-問4



[5]正解①
  弱酸と弱酸の塩の混合溶液は、緩衝液となります。
  また、溶液中に酢酸CH3COOH、酢酸ナトリウムCH3COONa、どちらも、0.1(mol/L)× 0.1(L)= 0.01(mol)存在しています。

  a.(正) 酢酸ナトリウムCH3COONaは水溶性のイオン結合性物質なので、水中でほぼすべて電離しています。
  b.(正) 酢酸は弱酸でほとんど電離しないので、CH3COOHは0.01(mol)存在しています。また、上記a.の通りCH3COONaはほぼ完全電離で、CH3COONa → CH3COO + Na ですから、CH3COO も 0.01(mol)存在すると考えます。
  c.(正)  この混合溶液中には、CH3COOH、CH3COO 、Na が大量に存在しています。この溶液中に Hを加えると、CH3COO + H → CH3COOH の反応により H が消費されるため、Hはほとんど増加せず、pHもほとんど変化しない、と考えます。
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2017センター化学 第2問-問5



[6]正解④
  左右それぞれの電気分解曹では、 NaCl  →  Na + Cl- のように電離していて、
     これら  Na 、Clが電極に引き付けられます。
  陽極(+極)には、 Clが引き付けられ、2Cl-  → Cl↑+ 2e で、塩素が発生します。
  陰極(-極)には、Na が引き付けられますが、Na はイオン化傾向が大きいため電子を受け取らず、代わりにH2Oが電子を受け取り、2H2O + 2e → H↑+ 2OH で、水素が発生します。
  さて、陽極では、Clと Na が同数存在して電荷が釣り合っていたのですが、Clが減ったので、「Na が余っている状態」と考えて下さい。
  同様に、陽極では、Clと Na が同数存在して電荷が釣り合っていたのですが、OHが増えたので、負電荷 が余っている状態つまり「正電荷 が足りない状態」と考えて下さい。
  これら、陰極の「Na が余っている状態」、陽極の「正電荷 が足りない状態」は、「陽極から陰極に、陽イオン交換膜を経て Na が移動する」ことで解消される、と考えて下さい。(陰極から陽極に、陰イオンが移動してもこの状態を解消できますが、陽イオン交換膜は陽イオンしか通せないので、陽イオンが移動する訳です)
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2017センター化学 第3問-問1



[1][2]正解①⑥
  鉛の最大酸化数は+4(代表例PbO2)です。また、次亜塩素酸HClOは強い酸化作用を持ちます。

  ②粘土は、セメント、陶磁器の原料です。
  ③ガラス中の構成粒子の配列は不規則です。構成粒子の配列が不規則な固体をアモルファス(非晶質、非結晶)と呼びます。
  ④セラミックスは金属の酸化物などを焼結したものですが、ファインセラミックスは製造工程を精密に制御して作られ、出来た物質の機能も優れている(ファイン)ため、このような名称で呼ばれます。
  ⑤空気中で生じる銅のサビは緑青と呼ばれています。(成分は塩基性炭酸銅と言われてきましたが、最近は塩基性硫酸銅が主成分だと言われています)
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2017センター化学 第2問-問6



[7]正解②
  SO2はH2Sと酸化還元反応を起こし、この時SO2は酸化剤として働きます。(通常SO2は還元剤として働く事が多いのですが)また、この時の反応式は、
  SO2 + 2H2S → 2H2O + 3S です。
  さて、H2Sは 0.01(mol/L)× 0.2(L)=0.002(mol)あります。
  これに SO2 を、14/22400 = 0.000625(mol)反応させますが、この SO2 と反応するH2Sは、反応式より、
  0.000625 × 2 = 0.00125(mol)です。
  よって、反応せずに残ったH2Sは、
   0.002 - 0.00125 = 0.00075 = 7.5 × 10-4(mol) となります。
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2017センター化学 第3問-問3



[4]正解⑤
  AのNO2は水に溶けやすく、BのNOは水に溶けにくいので、A、Bの混合気体を水に通すと、気体Bだけが得られてしまうので、目的に反しますね。

  ①AのCOは水に溶けにくく、BのHClは水に良く溶けるので、気体Aだけが得られます。
  ②AのO2は石灰水とは反応せず、BのCO2は石灰水Ca(OH)2と反応して沈殿となって除かれるので、気体Aだけが得られます。(O2が水に溶けにくいことももちろんありますが)
  ③AのN2はNaOHとは反応せず、BのSO2はNaOHと反応して塩となって除かれるので、気体Aだけが得られます。(酸性酸化物が塩基と反応して塩を作る)
  ④AのCl2は濃硫酸とは反応せず、Bの水蒸気H2Oは濃硫酸に吸収されて除かれるので、気体Aだけが得られます。(濃硫酸には吸湿作用がある)
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