センター試験<化学基礎>

センター化学基礎本試験 解説

2017センター化学基礎 第1問-問6



[7]正解⑥
  この実験は、水に溶けやすい気体が水に溶けることによって、フラスコ内が減圧状態になり、そこに水が入ってくる、という原理を利用しています。アンモニアは極めて水に溶けやすいのですが、メタンは水に溶けにくいので、この実験には使えません。
  
  ①アンモニアは水に溶けやすく、空気より軽いので上方置換法で捕集します。
  ②アンモニアが水に溶け、フラスコ内の圧力が下がることによって、ビーカーの水がフラスコ内に噴出します。ですから、すき間があるとそこから空気が入ってしまい、フラスコ内の圧力は外圧と同じになってしまいます。
  ③アンモニアは水に溶けて、アンモニアの体積の分が、入ってくる水の体積になります。よって、フラスコに入れるアンモニアの量が少ないと噴き上がる水の量も少なくなります。
  ④内側が水で濡れたフラスコにアンモニアを捕集しようとすると、アンモニアはその水に溶けてしまい、フラスコ内のアンモニアの気体が少なくなってしまいます。
  ⑤噴き上がった水にアンモニアが溶けるので、溶液は塩基性になりpH指示薬のBTBは青色になります。
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2017センター化学基礎 第1問-問5



[6]正解③
  外圧が大きくなれば沸騰しにくくなる、と覚えておけばいいでしょう。外から押さえつけられるんですから。
  圧力が高い圧力なべの中では沸点が上がり、圧力が低い山の上では沸点が下がることを思い出して下さい。
(ところで、外圧が大きくなると蒸発しにくくなって蒸気圧も下がるんでしょうか?
いいえ! 外圧が大きくなっても蒸気圧は変わらないんですよ! 外圧が大きくなると、凝縮する量が増えるので、気液平衡の温度は高くなる、つまり沸点は上がるという訳なんです)

  ①同じ物資量で、気体より液体の方が体積はかなり小さいですね。
  ②液体でも気体でも構成粒子は自由に移動しているため、相互の位置関係は変わっていきます。
  ④固体から直接気体に変化する現象を昇華と言いますが、昇華しやすい物質が存在します。(粒子間の引力が弱い分子性物質等がこれにあたります)
  ⑤絶対零度より高い温度であれば、沸点未満の温度でも液体の表面から空間に飛び出していく粒子が存在します。
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2017センター化学基礎 第1問-問7



[8]正解③
  塩素には酸化作用があり、水道水の殺菌に利用されています。

  ①リサイクルでアルミニウムを得る方が エネルギーを 1/30 以下に節約できます。
  ②食品が空気に触れると油分などの酸化が進んでいきます。密封した場合でも、袋の中に残っている酸素が食品を酸化させます。 これを避けるため、袋に窒素やアルゴン等の気体を充てんさせます。
  ④プラスチックは人工物ということもあり、自然界では分解されにくい。
   (最近は、自然界で分解される生分解性プラスチックのようなものも作られています)
  ⑤天然の雨水には大気中の二酸化炭素が常に溶け込んでいて、pH≒5.6 の弱酸性になっています。
  ⑥家庭等で使う洗剤は、水になじむ親水基と、油になじむ疎水基をあわせ持ち、油分などの汚れを水中に分散させる事が出来ます。
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2017センター化学基礎 第2問-問1



[9]正解①
  普通に考えれば、4Lの水素、1Lのヘリウムの重さを計算する、となりますが・・・

  H = 2(g/mol)、He = 4(g/mol) ですから、
  水素4(mol)、ヘリウム1(mol)、の体積で考える(水素22.4L×4、ヘリウム22.4L)と、
  2g×4/4g = 2 ですから、H は He の 2倍重いとなり、
  これは、水素4L、ヘリウム1Lの場合も同じであることが分かります。
  (共に22.4Lで考えると、HeはH の 4g/2g = 2倍重いことになりますから、水素がヘリウムの2倍の体積なら同じ重さになり、水素がヘリウムの2倍以上の体積なら水素の方が重くなると考えてもいいですね)

  ② CH=16(g/mol)より、このメタンは1(mol)でこの中のH原子は4.0(mol)
  ③ 25/(100+25) = 25/125 × 100 = 20(%)
  ④ NaOH = 40(g/mol)より、NaOH4(g)は、4/40 = 0.1(mol)
    これが0.1(L)中にあるので、0.1/0.1 = 1.0(mol/L)
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2017センター化学基礎 第2問-問2



[10]正解②
  この分子w(g)の物質量は、w/M (mol)です。
  また、w/M (mol)を分子数で表すと、
  (w/M) × NA = wNA/M (個)です。
  一方、この分子w(g)の占める面積はX(cm)ですから、
  分子1個の占める面積(断面積)は、X ÷ (wNA/M) = XM/wNA
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2017センター化学基礎 第2問-問3



[11]正解②
  CHOH → 2CO2 
  ですから、CHOH は、生じたCO2 の 1/2 の物質量となります。
  また、44gのCO2 は、44/44 = 1mol なので、
  CHOH は、1 × 1/2 = 0.5mol
  CHOH = 46g/mol より
  46g/mol × 0.5mol = 23g
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2017センター化学基礎 第2問-問4



[12]正解④
  ①駒込ピペット、②ビュレット、③メスシリンダー、⑤メスフラスコ

[13]正解④
  操作Ⅰでは、最終的に用いる溶液で洗浄します。共洗いですね。
  最後に水で洗浄したあとに溶液を吸い取ると、溶液が薄まってしまいますね。
  操作Ⅱですが、液体の体積を測定する時の基本です。
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2017センター化学基礎 第2問-問5



[14]正解⑤
  ポイントが3つあります。

  1つめは、指示薬の色が何色から何色に変わっていったかを見て下さい。
  これより、AとBは塩基だと分かります。
  ですから、これをHCl(強酸)で中和したことになります。
  同様に、Cは酸だと分かり、これをNaOH(強塩基)で中和したことになります。

  2つめは、指示薬の色の変わり方が、急激か徐々かに注目して下さい。
  Aでは、フェノールフタレインが徐々に変色しており、弱塩基と強酸の滴定であることが分かります。(弱塩基と強酸の中和点は酸性側)
  同様にCでは、メチルオレンジが徐々に変色しており、弱酸と強塩基の滴定であることが分かります。(弱酸と強塩基の中和点は塩基性側)
  フェノールフタレインの変色域は塩基性側、メチルオレンジの変色域は酸性側なのでこう言えるのですが、滴定曲線と変色域を重ねた図があると一目瞭然なんです。
  ということは、Aは弱塩基ですからNH、Cは弱酸ですからCHCOOHとなります。

  3つめは、中和に要した液量に着目します。
  A、Bは塩基と分かりましたが、化合物群の塩基はNH、KOH、Ca(OH)の3つです。
  BはAの2倍量の酸で中和されたので、Aは1価の塩基、Bは2価の塩基Ca(OH)と考えられます。
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2017センター化学基礎 第2問-問6



[15]正解⑥
  MnO + aHO + be → MnO + 2aOH ・・・ (1)
  M2+ → M3+ + e ・・・ (2)
  MnO + cM2+ + aHO → MnO + cM3+  + 2aOH ・・・ (3)
  (1)式のOの数に着目すると、4+a = 2+2a より、a=2
  また、(1)式の左右の電荷に着目すると、-1-b = -4 より、b=3
  さらに(3)式の電荷に着目すると、 -1+2c = 3c-4 より、c=3
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2017センター化学基礎 第2問-問7



[16]正解④
  図2から、二酸化炭素COが0.025mol発生した時に、
  塩酸中のHClがすべて反応したことが分かります。
    反応式より、この時のHClは、0.025×2 = 0.05mol。これが25mL中にあるので、
  0.05mol/0.025L = 2mol/L
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2016センター化学基礎 第1問-問2



a
[2] ④
  NH4+ 中のHとNは、どちらも非共有電子対はありません。
  Hには、元々非共有電子対がありません。
  また、N原子は、非共有電子対を持っていますが、
  NH3にH+ が配位結合してNH4+ が出来る時、非共有電子対が使われてしまうため、
  N原子の非共有電子対は無くなります。

b
[3] ①
  H2OにはO-H結合が2か所あるので、
  共有電子対が2組あることになります。
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2016センター化学基礎 第1問-問3



[4] ③
  a ~ f 中で最もイオン化エネルギーが大きいのは、18族のd(Ne)です。
  イオン化エネルギーが極大になる元素は18族、
  18族の中では、原子番号が小さいほどイオン化エネルギーは大きくなります。
  (イオン化エネルギー最大はHeですね)
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2016センター化学基礎 第1問-問5



[6] ③
  青銅A中のスズは、2.8kg × 4.0/100 = 0.112kg
  青銅B中のスズは、1.2kg × 30/100 = 0.36kg
  ∴ これらを混合した青銅C4.0kg中のスズは、0.112 + 0.36 = 0.472kg
  ∴ 青銅C1.0kg中のスズは、(0.472/4)kg → (472/4)g
  ∴ このスズの物質量は、(472/4) × 1/119 ≒ 0.99mol
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2016センター化学基礎 第1問-問6




[7] ⑦
  反応を止めたい時に、反応物の固体と液体を分離させます。
  ふたまた試験管のくびれは、試験管を傾けて液体と固体を分離させようとした時に、
  固体だけが、くびれの所で止まるようになっています。
  発生する二酸化炭素CO2は空気より重いので、下方置換で捕集します。
  また、CO2石灰水Ca(OH)2と反応して、
  炭酸カルシウムCaCO3の白色沈殿を生じます。結果、溶液が白濁します。
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2016センター化学基礎 第2問-問2



[10] ②
  C 1.1g × 12/44 = 0.3g
  H 0.9g × 2/18 = 0.1g
  O 0.80g-(0.3+0.1)g = 0.4g
  物質量比 C : H : O = (0.3/12) : (0.1/1.0) : (0.4/16) = 1 : 4 : 1
  ∴ この物質の組成式は、CH4Oとなり、適する分子式はCH3OHのみとなります。
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