化学授業ふり返り

2013年5月の記事一覧

酸化剤、還元剤

 酸化剤と還元剤について
 
 ※「酸化する」と「酸化される」では対象が異なります。
  ちょっとややこしいのですが「酸化する」と書くと、酸化されるのは「自身」ではなく「相手」になります。

 ①まず、▲▲剤という物質は、相手を▲▲する物質です。
 ②ですから、「酸化剤」は「相手を酸化」して、「自身は還元」されます。

 電子eのやり取りで酸化還元を考えてみると、電子eを受け取るのが酸化剤ということになります。

 ①電子eを受け取ると陰イオンになりますから、陰イオンになりやすい元素は電子eを受け取りやすい、つまり酸化力が強い、酸化剤として強い、となります。
 ②周期表右上の元素ほど陰イオンになりやすかったですね。
ですから、「周期表右上の元素ほど酸化力が強い」と覚えましょう! この時、18族希ガス元素は除いて考えて下さい。 すると酸化力最強の元素はフッ素F、となりますね。
 ③ハロゲン単体の酸化力の比較がよく問われます。
17族単体を周期表上から順に記すと、F、Cl、Br、I、ですね。「周期表右上の元素ほど酸化力が強い」ということは、「周期表の上の元素ほど酸化力が強い」と言えますから、17族の中での酸化力の強さは、F>Cl>Br>I、となる訳です。
0

酸化数

 反応後に物質が「酸化された」か「還元された」かを判定するのに「酸化数」が考えられました。(前回も言いました)

①「電子eが減る」=「酸化された」ですね。
 「-が減る」=「酸化数が増える」ということで
 「酸化数が増えた」=「酸化された」 と判定します。逆に
 「酸化数が減った」=「還元された」となります。

②ここで、教科書の表にあった定義は「暗記する」んですよ!
 また素早く答えが出るように、くり返し、書いたり声に出したり友達と言い合ったりして覚えてね!
 「化合物中のClは?」 「-1だよっ!!」 てな感じでね。
 H2O2のOが、とか-2とか-4とかいった答は、定義をまだしっかり覚えきってない状態です。
 覚えたら、出来るだけたくさん練習問題やった方がいいです。
 教科書やニューステップアップにある練習問題やっておこう!
 練習は日にちをあけて再度やった方が絶対にいいです! 定着します!
0

酸化数(酸化還元)

①酸化数とは、原子中の電子eが、「単体の時より増えているか減っているか」を表していると考えて下さい。
 2Na + Cl2 → 2NaCl
 の反応で、Naはeの増減なしだから0、Naは+1と表します。
 この時のNaの酸化数は 0 → +1 で増えている、つまりe減っているから酸化されている。
 よって、「酸化数増 → 酸化されている」と言いたいんですね。
 酸化数の増減を調べて、酸化されたか還元されたか簡単に判定しようという意図なんですね。

➁2つの原子が結合した時、周期表での位置関係が左の原子が+、右の原子が-になります。NaCl(NaCl)で確認してみてください。そうなってるでしょう?

③ここで周期表出して、HとOの周期表での位置関係を確認してみて下さい。
 Hは左はじ、Oは右はじにあるでしょう? 周期表左側の元素は電子を放しやすい、周期表右側の元素は電子を受け取りやすい、だから、Hが+、Oが-になるんですね。
 もう一つ、Hは1族だから+1、Oは16族だから-2と気づけば完璧ですね!
 2族が+2、13族Alが+3、17族が-1も納得できるでしょう?

※プリント「周期表」、プリント「イオン式を書き入れよう」、プリント「覚えたい元素記号イオン式分子式」、すご~く大切なのが分かるでしょう? 早く覚えてしまいましょう!!
0

酸化還元

①「酸化」は字のとおり、酸素Oと化合すること(Oが増)。還元は元に戻るつまりくっついたOが取れること(Oが減)。これが「酸化還元」という言葉の由来でしょう。

②水素Hを得ると「還元」、水素Hを失うと「酸化」でしたね。酸素Oの時と逆です。

③電子eを失うと「酸化」。酸素Oの時と逆ですね。

※即座に言えるように、何度も発音したり書いたりして暗記しておこう!

④ CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O 
  Hの増減で酸化還元を説明できますね?

⑤ 2Na + Cl2 → 2NaCl
  これを電子の増減で説明する時は、(これ、質問多かったです)
   2Na + Cl2 → 2NaCl
  と補って考えてみよう。
  Na が Naに変化したので、eが減った。よって・・・
  こんな感じです。
  化合物は基本的に NaClのように「+-」の順で書かれています。
0

中和滴定、塩の性質(酸塩基)

①滴定曲線は中和点の所で急激に変化する。(ドカン。ドッカーンもありましたね。(笑))
 この「pHの急激な変化」はpH指示薬の色の変化で確認できました。
 指示薬は2つだけでいいですから、どの領域で何色から何色に変化するのか覚えておこう。PPは実験で体験しましたが、MOについては言えますか?

② 次の3パターンの滴定を、塩の性質と関連付けて覚えちゃおう。
 ア)弱酸を強塩基で中和滴定 → 塩基性の塩が生じ、塩基性側で色が変わるPPだけ使える。
 イ)強酸を弱塩基で中和滴定 → 酸性の塩が生じ、酸性側で色が変わるMOだけ使える。
 ウ)強酸を強塩基で中和滴定 → 中性の塩が生じるが、中和点でのpHの変化が大きいので(ドッカーン)、MO、PPどちらも使える!
 エ)弱酸を弱塩基で ・・・ は、知らなくて大丈夫。(入試でも)

③入試問題では、滴定曲線が右下がり(塩基を酸で滴定)も出ます。
0

中和反応の量関係(酸塩基)

①中和する時の量関係の問題、酸のmol濃度を求める、塩基溶液の体積を求める、といった計算 問題は多いですが、「中和滴定の公式」を基本にしたやり方でいきましょう。
  a × c × v/1000 = b × c' × v'/1000

★0.4mol/L塩酸10mLを中和するのに必要な0.1mol/L水酸化バリウム水溶液は何mLか?
  1 × 0.4 × 10/1000 = 2 × 0.1 × v'/1000
  v' = 20mL

② ①の式は、酸も塩基も水溶液の時に使うんですが、
 この式の「左辺は Hのmol」、「右辺は OH のmol」ですから、
 たとえば、NaOHの固体を用いた中和なら、右辺だけ変えて使えばいい訳です。

★NaOH 4g(0.1mol)を 過不足なく中和する 0.5mol/L硫酸は何mLか?
  このNaOHから生じるOH0.1molだから
  2 × 0.5 × v/1000 =0.1
  v' = 100mL

 どうでしょうか? 気体のNH3を中和する時もこれでいけますね。
 また、章末問題では「10%塩酸を中和する」・・・、がありましたが、この時はHを別の方法で求めて、①式の左辺を変えて使えばOKですね。
0

中和反応(酸塩基)

①「中和」というのは、酸と塩基が反応して酸性でも塩基性でもない「真ん中の性質」になるといった感じ。

②その時の量関係は
  1H+ 1OH → 1H2O です。
 Hと OHは同じmolで「ちょうど中和」するということですね。

③反応式を作る時は、
  HCl + NaOH → ・・・
  H2SO4 + KOH → ・・・
  2HCl + Ca(OH) → ・・・
 というようにHと OHが同じmolで反応するように書きます。

  
④アンモニアNH3を中和する時の反応は、
  NH3 + HCl → NH4Cl
  2NH3 + H2SO4 → (NH4)2SO4
 というように1NH3が1Hと反応するように書きます。 
 この反応でNH3はHを受け取っていることを確認してください。
 Hを受け取る物質も塩基ということですね。(ブレンステッドローリーの定義) 
 また、NH3は1価の塩基だということも分かりますね。
0